アニサキスとは
アニサキスは、寄生虫の一種であり、魚やイカなどの海産生物に寄生して人間に感染する可能性があります。
アニサキスは、円形動物門ネマトダ蟲綱アニサキス科に属する寄生虫です。主に海洋に生息し、魚やイカなどの中に寄生しています。
アニサキスが寄生している魚介類
- さば
- いわし
- アジ
- イカ
- ホタルイカ
- サンマ
- タラ
- サケ
- ホッケ
など
※上記の魚介類は、適切な加熱処理や冷凍処理を行うことによって、アニサキスのリスクを減らすことができます。
- 食材の中心温度が60℃以上の状態で1分以上加熱
- 食材の中心温度が-20℃以下の状態で24時間以上冷凍
アニサキスが寄生していない魚介類
- 淡水魚
- 淡水に生息するカニ
- 貝類
その他、ボラ、トビウオ、ホヤ、ウニ、ナマコ、タコ、アナゴ、ウツボ、甲殻類などもアニサキスに寄生している可能性が低いと言われています。ただし、アニサキスの寄生は環境や地域によって異なる場合があります。したがって、絶対的に寄生しないと言えるわけではありません。
人間への感染経路
アニサキスの人間への感染経路は、アニサキスが寄生した生魚や生イカを摂取することです。感染した魚やイカを食べることで、アニサキスの幼虫が人間の消化器官に侵入し、問題を引き起こす可能性があります。
アニサキスの症状
アニサキス感染症の主な症状は、腹痛、激しい腹部の痙攣、吐き気、嘔吐、下痢などです。これらの症状は、アニサキスが消化器官の壁に穴をあけたり、炎症を引き起こしたりすることによって発生します。
アニサキス感染症の症状は、感染した人によって異なる場合がありますが、代表的な症状は以下の通りです。
腹痛
アニサキスが消化器官の壁に穴をあけたり、炎症を引き起こしたりすることによって、強い腹痛が生じることがあります。腹痛は通常、胃や腸の上部に感じられます。
腹部の痙攣
アニサキスの移動や寄生によって、腹部の筋肉が収縮して痙攣することがあります。これにより、激しい腹部の痛みや不快感が生じます。
吐き気と嘔吐
アニサキス感染症では、吐き気や嘔吐がしばしば見られます。感染した魚やイカを摂取した直後や数時間後に発生することがあります。
下痢
アニサキス感染症による下痢も一般的な症状です。腸の炎症や刺激によって、腸の運動が活発になり、水っぽい便や頻度の増加が見られることがあります。
アレルギー反応
アニサキス感染症では、一部の人ではアレルギー反応が生じることがあります。アニサキスの抗原に対する免疫系の過剰な反応により、発疹、じんましん、かゆみ、呼吸困難などのアレルギー症状が現れることがあります。
アニサキスによる合併症
アニサキスによって引き起こされる疾患は、アニサキス症として知られています。アニサキス症の主な疾患や合併症は、以下の通りです。
アニサキス胃炎
アニサキスが胃の壁に穴をあけたり、炎症を引き起こしたりすることで、アニサキス胃炎が発生します。これにより、腹痛や上腹部の不快感、吐き気、嘔吐などが生じます。
アニサキス腸炎
アニサキスが腸の壁に寄生したり、刺激を与えたりすることで、アニサキス腸炎が発生します。腹痛、激しい腹部の痙攣、下痢などが主な症状として現れます。
アレルギー反応
アニサキス感染により、一部の人ではアレルギー反応が生じることがあります。アニサキスの抗原に対する免疫系の過剰な反応により、発疹、じんましん、かゆみ、呼吸困難などのアレルギー症状が現れることがあります。
アニサキス症は比較的まれな症例ですが、一部の感染者では上述した症状や合併症が生じる可能性があります。感染症の症状が現れた場合は、早めに内視鏡検査を行う消化器内科に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です
アニサキス感染症の診断と治療
アニサキス感染症は、症状と感染経路の情報に基づいて医師が診断します。
アニサキスの疑いがある場合は、胃カメラ検査を行います。
胃カメラ検査は、胃の内部を観察するために行う検査方法です。患者様は鎮静剤によって苦痛を感じることなく楽に検査が受けられます。
胃カメラは、高解像度の映像をモニターに映し出すことで、胃の内部を詳細に観察できます。アニサキス感染の場合、胃カメラ検査ならアニサキスの存在や感染の程度を確認することができます。必要に応じて、検査と同時にアニサキスの除去や生検(組織の一部を採取すること)が行われる場合もあります。
アニサキスの予防
アニサキスの感染を予防するためには、生の魚やイカを食べる際に注意が必要です。
- 魚やイカをよく加熱して調理する。
- 冷凍処理を行う(-20℃以下で24時間以上凍らせる)。
- 生の魚やイカを摂取する場合は、信頼できる飲食店で調理されたものを選ぶ。