陰部・性器の痛みは早期に検査しましょう!
陰部や性器の痛みは、膀胱や尿道の周りで起こる痛みであり、排尿痛が典型例として知られています。他にも、じっとしていても生じる違和感や痛み、かぶれが原因で生じる痛みや急激な痛みなど複数あります。排尿痛は排尿時に起こる痛みで、排尿の終わり際に絞られるように痛む、尿道の出口付近がチクチクと痛む、排尿後に痛むことなどがあります。
性器に起こる痛みの原因は、男性や女性ならではの疾患、性感染症など複数考えられます。性感染症は放っておくと不妊や病状の悪化を招く場合があり、パートナーへの感染拡大などの恐れもあるため、なるべく早めに検査を受診し、最適な治療を受けることが必要です。
男性の性器痛の原因
男性の性器は陰嚢と陰茎が外に飛び出した構造となっており、痛みなどの刺激に敏感なため、下着の擦れや締め付け、長時間座り続けることなど、日常生活における問題によって痛みが生じることが珍しくありません。また、慢性前立腺炎では、長時間座り続けることや飲酒などによって、骨盤の中の血流が低下し、痛みが生じる場合があります。
また、感染症が原因で性器痛が生じることもあります。皮膚表面に炎症が起こっていなくても、排尿時に痛みや違和感があれば感染症の可能性があります。性感染症は放っておいても自然に完治することはないため、検査によって原因疾患を特定し、最適な治療を受けることが重要です。
日常生活における問題によって起こる痛みも、早期治療を要する疾患が原因となる痛みも、症状のみでは判別することは難しいため、異変があれば遠慮なくご相談ください。
痛みを引き起こす原因
日常生活における原因
- デスクワークや運転などで長時間座り続ける
- 圧迫や締め付け、擦れ
など
疾患
- 一般細菌による感染症
- 急性陰嚢症、慢性前立腺炎、精索捻転症
など
性感染症
- 淋菌感染症
- クラミジア感染症
- 性器ヘルペス
- トリコモナス症
- マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症
など
女性の性器痛の原因
生理の時に使うナプキンが原因で、擦れや蒸れなどが起こってかぶれが生じ、それに伴って痛みが生じる場合があります。下着やナプキン以外の吸水ケア用品や生理用品、避妊具などによってアレルギーやかぶれが生じ、痛みや違和感が起こる場合もあります。
また、性器痛が生じることが多い病気としては、生理中に痛みが生じることが多い子宮内膜症や月経困難症などが挙げられます。その他、加齢が原因の萎縮や筋肉の弛緩による子宮脱や子宮下垂、出産時に裂けた会陰の痛みなど、ライフステージに応じて考えられる疾患は様々です。
また、女性も感染症が原因で性器痛が生じる場合があり、性感染症の可能性もあります。基本的におりものの異常や増加、潰瘍、びらんなどが起こる恐れがあり、不妊などを引き起こす懸念もあります。性感染症の症状は一過性の場合もありますが、自然に完治することはないため、なるべく早めに最適な治療を受けることが重要です。
痛みを引き起こす原因
日常生活における原因
- ナプキン、吸水シート、おりものシートによるかぶれ
- 下着による擦れやかぶれ
- アレルギー
など
疾患・傷
- 子宮内膜症
- 月経困難症
- 会陰切開の傷
- 腟萎縮
- 子宮脱
- 子宮下垂
など
性感染症
- 淋菌感染症
- クラミジア感染症
- 性器ヘルペス
- トリコモナス膣炎
- ウレアプラズマ、マイコプラズマ感染症
など
陰部の痛みの検査・治療
性感染症の可能性があれば、問診で症状を確認して視診を実施し、必要に応じて尿検査を実施する場合もあります。
原因疾患に応じて治療薬や最適な治療法は違いがあるため、原因究明が大切です。細菌感染によって起こる場合は、最適な抗生物質を使った治療を実施し、真菌感染の場合は抗菌薬、原虫の場合は抗原虫薬を用いた治療を実施しなければならず、違う治療法では効果が期待できません。
性器痛は膀胱炎や尿道炎が原因にもなりますので、ご自身の判断で市販薬を使用すると、一時は症状が落ち着いても根本的な治療とはならず、むしろ病状が重くなる恐れがあります。違和感や性器痛など、お悩みの症状があればなるべく早めに受診してください。
また、性感染症はパートナーも検査を受けなければなりません。性感染症は症状が起こらないことも珍しくありません。なお、女性の月経困難症や子宮内膜症などの婦人科系疾患の恐れがあれば、婦人科に相談するようにしてください。