胃がん

胃がんとは

胃がんは、胃の内壁に発生するがんのことです。胃がんは一般的に早期には症状が現れず、進行すると胃の周囲の組織や他の臓器に広がる可能性があります。胃がんの具体的な原因は明確には分かっていませんが、

  • ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
  • 遺伝的な要因
  • 食生活(塩分摂取の多さ、食事の加熱処理、食物保存方法)
  • 喫煙
  • 過度のアルコール摂取

などいくつかのリスク要因が関連しています。

胃がんの症状

早期の胃がんでは症状がほとんど現れませんが、進行すると次のような症状が現れることがあります。消化不良、胃の不快感、腹痛、食欲不振、体重減少、吐血、黒色便などです。

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染と胃がんのリスク

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染は、胃がんのリスクを高めることが知られています。感染した人の一部では、ヘリコバクター・ピロリ菌が胃の内壁に慢性的な炎症を引き起こし、その炎症ががんの発生を促す可能性があります。ピロリ菌に感染している人が必ずしも胃がんになるわけではありませんが、感染していることは胃がんのリスク因子として考慮されます。
ヘリコバクターピロリ菌感染の診断には、非侵襲的検査と侵襲的検査の両方があります。非侵襲的な方法には、血液検査や呼気検査(尿素呼気試験)、便中の抗原を検出する方法などがあります。侵襲的な方法には、内視鏡検査時に生検を行う方法があります。

胃がんの検査

胃がんの検査には、さまざまな方法があります。

胃カメラ検査

胃内視鏡検査胃カメラ検査は、胃の内部を観察するために内視鏡を使用する検査です。内視鏡を鼻または口から挿入し、胃に到達して内部を視覚的に確認します。必要に応じて生検も行われます。早期の胃がんや前がん病変の検出、がんのステージング(進行度の評価)にも使用されます。

バリウム検査

バリウムと呼ばれる造影剤を摂取し、X線を使用して胃の内部を撮影する検査です。バリウムは胃の形状をはっきりと可視化し、異常な部位や腫瘍の存在を検出するのに役立ちます。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査は、音波を使用して胃の内部を評価する検査です。患者の体表に音波探触子を当てて音波を送り、胃の画像を生成します。この検査は胃がんのステージングに役立つことがあります。

血液検査

血液検査では、特定のマーカーや腫瘍関連の指標を測定することにより、胃がんの存在や進行度合いを評価することができます。

胃がんの治療について

胃がんの治療方法は、がんのステージ(進行度合い)や患者の一般的な健康状態によって異なります。
内視鏡的治療、手術、化学療法、放射線療法、表的療法、免疫療法などの治療法があります。
これらの治療が必要な場合には提携病院にご紹介させていただきます。

内視鏡的治療

内視鏡的治療は、がんの早期段階で限局している場合や、手術が困難な高齢の患者に適用されることがあります。

内視鏡的粘膜下層剥離(ESD: Endoscopic Submucosal Dissection)

ESDは、早期の胃がんに対する内視鏡的治療法の一つです。内視鏡を使って胃の内壁にあるがんの限局している部分を取り除くことができます。この手法では、がんの粘膜下層を剥離し、周囲の正常な組織とともに摘出します。

内視鏡的粘膜切除(EMR: Endoscopic Mucosal Resection)

EMRは、早期の胃がんに対する別の内視鏡的治療法です。内視鏡を使用して、がんが発生している粘膜層を取り除くことができます。がんが粘膜層に限局している場合、この手法はしばしば有効です。

胃がんの予防

胃がんの予防には、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌、バランスの取れた食事(新鮮な果物や野菜、食物繊維の摂取)、適度な運動、禁煙、適度なアルコール摂取などが推奨されます。また、定期的な健康診断や胃がんの早期発見のためのスクリーニングも重要です。

胃がん予防とピロリ菌の除菌

ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、胃がんの一部を予防するために取り組むべきリスク因子です。感染している場合は、ピロリ菌の除菌治療を受けましょう。特に胃がんの家族歴や他の胃がんリスク因子を持つ人々にとって、除菌治療は重要な予防策となります。
胃がんとヘリコバクター・ピロリ菌の関連性は確立されていますが、すべての胃がんがピロリ菌によるものではありません。胃がんの発症には他の複数の要因も関与していますので、定期的な健康診断と医師の指導を受けることが重要です。

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